数学の問題で、いつも解答に行き詰まってしまい、解法がひらめかないという悩みをもつ人も多いはず。
この“ひらめき”は才能やセンスの賜物なのか? 独自の視点から数学を解き明かす池田洋介先生に、問題正解への突破口を切り拓く“ひらめき力”を鍛えるためのポイントを教えていただいた。
河合塾講師/パフォーマー 池田 洋介 先生
ひらめきとは異なるものを関連づけできる能力だ!
「ひらめき」というと「まったく新しいアイデアを0から作り出すこと」をイメージする人が多いかもしれません。しかし、誰でも思いつくことを、誰も思いつかないやり方で結びつけることが「ひらめき」の本質です。
これは数学の解法にもあてはまります。難問といわれる数学の問題であっても、実は教科書に載っているようなとても基本的な事柄の組み合わせであることが多いのです。ということは、その問題が解けるかどうかは、その問題と、すでに知っている「基本的な事柄」を結びつけられるかどうかにかかっていると言えます。数学においてとても大切な能力の一つは、こうした「異なるものを関連づけられる」ことだと僕は思っています。
点と点とを線で結んで「知識の地図」を作る
100個の問題の解法を覚えれば「数学ができる人」になれるかというと、それは疑問です。101個目の問題には対応できないからです。では、「数学ができる人」の頭の中では、どのようなことが行われ