センター試験が終わると、志望校の個別試験は目前!命運を分ける一発勝負で最大限の力を発揮するには、学力だけでなく、メンタルの最終調整が不可欠だ。
そこで今回、アスリートのメンタルコーチを務める、柘植陽一郎さんに、オリンピック選手も実践する本番に向けたメンタル調整法を教えてもらった。自分に合うものを取り入れ、結果につなげよう。
一般社団法人 フィールド・フロー代表 柘植陽一郎さん
センターの経験から学び、次の試験へと切り替える
多くの受験生にとって初の実戦だったセンター試験は、「確実に成長の糧になります」と柘植さん。「初戦をきちんと振り返り、すべてを貴重なありがたい経験ととらえて、次の本番に活かすことが大切です」。そのうえで個別試験に臨む受験生に薦めるのが、「タイムライン」と呼ぶ巨大スケジュール表の上を歩くこと。手順は、
①受験日と大学・学部名を、A5~A4判程度の紙1枚に1校ずつ書く(紙は横長に使う)。
②この紙を床に並べる。日程が近い順に手前から奥へと並べ、各受験日の間隔も再現する。
③脇を歩いて、自分がどう感じるか観察する。
アスリートも実践するこの方法は、手帳などで予定を眺めるよりリアルに受験スケジュールを体感でき、発見も多いという。「試験が終わるまでの全日程を事前に一度体験するイメージです。不安を感じたら、どんな準備をして臨めば解消できるか考えましょう。以下の6つのポイントで『これならできる。やってみたい』と思うものを習慣化するのもお薦めです」。
アスリート流本番メンタルを作る6つのポイント
【ポイント 1】
コントロールできること、できないことを分けて考える
「本当に合格できるのか…」。誰もが一度は抱いたことのある不安だろう。しかし、合格という結果は他の受験生の得点にも左右されるもの。こうした自分でコントロールできないことを思い悩んではいけない。その結果に近づくために何ができるかを考えたい。まずはコントロールしやすい「意識」を変え、行動につなげよう。
【ポイント 2】
「△△しない!」という思考は「○○する!」に変換する
例えば「失敗してはいけない」と思った時点で、意識は失敗に向いてしまう。こんなとき、別のことに意識を向けられるように習慣づけよう。柘植さんがサポートしたあるスポーツ選手は、試合で「失敗