初めての実施、初めての入試本番と、ダブル〝初〟の共通テスト。
さらに新型コロナウイルスの影響などもあり、
例年以上に不安を感じている受験生も多いことでしょう。
でも、冷静に考えると、条件はみんな同じです。
では、どこで差がつくのか。どういう人が成功を掴むのか。
これまで多くの受験生を指導し、その姿を見守ってきた灘校の木村達哉先生が、読者にメッセージを贈ります。
新入試にコロナ禍…苦労も多かった今年の受験生へ
予定通りに入試が受けられることを、まずは喜ぼう
共通テストが目前に迫ってきましたね。思えば今年の受験生はいろいろ大変だったかもしれません。英語外部検定試験を受けねばならないとか、共通テストに筆記問題が含まれることになるとか、JAPAN e-Portfolioが導入されるとか、さまざまな「入試改革」が事前通告されていました。それにも関わらず、いつまでたっても正式に発表されず、やきもきしながら高校生活を送っていた人がほとんどだったはずです。実際には、英語成績提供システムも、共通テストの筆記問題も、JAPAN e-Portfolioも、なにも導入されませんでした。1つずつ瓦解していきました。文字どおり、大山鳴動して鼠一匹ということになったわけで、憤りを感じている受験生や教育関係者も多いのではないでしょうか。
それに加えて、新型コロナウイルスの影響で学校が休校となりました。オンラインでの授業や指導が行われた学校もありましたが、登校することができませんでしたし、なかには来年度から大学の入学を9月にしようと言い出す政治家まで出現し、いったい入試はどうなるのだろうと不安に思った人も少なくないでしょう。かく言う僕も高3の学年主任をしていますので、情報を集めながら生徒たちに発信し続けていました。結果的に、現在もウイルスは蔓延しているものの、入試は予定どおりに行われることになりました。本当によかったと思っています。