2022年大学入学共通テスト(以下、共通テスト)は実施2年目となるが、難易度(平均点)や出題内容はどうなるのか、不安に感じている受験生も少なくないであろう。
そこで、入試情報のプロである石原賢一さんに2021年までの結果を踏まえ、2022年を予想していただいた。
※本文中では、共通テスト、センター試験とも本試験(2021年共通テストは第1日程)について解説。平均点は大学入試センター発表のデータの小数点第2位を四捨五入。国語の「近代以降の文章」は「現代文」と表記。
駿台教育研究所 進学情報事業部部長
石原 賢一さん
駿台予備学校に入職後、学生指導、高校営業、カリキュラム編成を担当後、神戸校校舎長を経て、2006年より現職。大学進学や入試分析、最近では特に高大接続改革関連の情報など、講演会や各種メディアで幅広く発信中。
2021年 共通テスト1年目の結果は予想通り?
新傾向問題が出題されたが、受験生には解答しやすい出題
導入初年度となった2021年共通テストは当初の予想では、大学入試センター試験(以下、センター試験)と比較して、かなり難化すると見られていました。これは、センター試験では「知識・技能」を中心に評価するとされていましたが、共通テストでは「思考力・判断力」の評価を重視するという方針に変わったからです。実際に2017年・2018年の試行調査(プレテスト)では、問題文の文量の増加や、複数のテキストを比較・検討して解答を導く形式など、受験生にとって負担の大きい出題が見られ、数学や理科②(基礎を付さない科目)では受験者の平均点が4割を下回った科目もあるなど厳しい結果でした。また、国語(現代文)では実用的な文章、数学での会話形式の問題、英語リーディングの日常的なものを含む様々な題材の読解問題、英語リスニングでは1回読みを含む実践的な英語力を問う問題など、センター試験とは大きな傾向の変化がありました。