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木村達哉の英語力養成講座[連載・第4回]:基礎トレ編

  • [2017/7/4]

苦手とする受験生が多いリスニングについて、今回から2号連続で効果的な学習法を伝授。
初回のテーマは、基礎トレーニング法だ。
英文をたくさん聞くだけでは、正確に聞き取る力は身につかない。
問題集を開く前に、まずはこれを読んでほしい。

【4回の表】
人生も英語学習も、目に見えないものを大切に。

「正しく発音できる」が、リスニング学習の第一歩

 これまでお伝えしてきたように、リーディングにせよリスニングにせよ、知らない表現や語彙を減らしていくことが英語学習の第一関門です。単語集で地道に覚えるのと並行して、読んだり聞いたり書いたり話したりしているときに出てきた知らない単語や表現は、貪欲に覚えていきましょう。

 知識の増強に加えて、リスニングとスピーキングに関しては、とても大切なことが2点あります。まず1点目は、正しい音を知ることです。リーディングやライティングでは、単語の意味がわかれば何とかなりますが、リスニングやスピーキングでは正しい発音を知らないと、いくら問題を解いても点数は上がりません。

 単語の正しい発音を知っているというのは、その単語を自分でも正しく発音できることを意味します。まずはCDなどをよく聞き、単語を正しく発音できるように練習するのがリスニング学習の第一歩。英文を見て、ゆっくりでもいいから正しい発音で読めるようになって初めて、スタートラインに立ったと言えます。たくさんの英文を聞くよりも、まずは声に出して自分で発音することから始めましょう。


英語を即座に日本語に直すトレーニングをする

 2点目は、表現や単語の意味の覚え方です。英語を読むのと聞くのとでは脳の働きが違ってくるので、覚える際にも注意が必要なのです。例として、次の文章を読んでみましょう。

Thank you for coming to today’s party. I have a butterfly in my stomach because there are a lot more participants than I expected. I hope all of you will have a great time tonight.

 いかがでしょうか。have a butterfly in my stomachは「緊張している」、participantsは「参加者」という意味ですが、それらがわからなかったとしても、筆者が述べている内容はその前後から推測できたと思います。

 一方、この文章を聞くとなると、まったく違ってきます。読む場合には文章全体が見えているので、意味を考えながら読み進め、わからない部分があっても推測しながら読むことができます。しかし、聞く場合には全体が見えません。I have a butterfly in my stomachの時点で「バタフライ? 蝶々? ストマック? 胃?」と思っているうちに英語が流れていってしまい、結局は冒頭部分しか意味が取れなかったということになりかねません。

 読む力をつけようと思って表現や単語を覚える場合は、前後からの類推を含めて意味がわかるレベルでいいのですが、聞く力をつけようと思ったら、「知っている」だけでは不十分です。ある表現や単語を聞いたら即座に日本語に直すクイックレスポンスのトレーニングが必要であり、これを行わないと、「知っている表現だったのに聞き取れなかった」ということになりかねません。では、どうすればいいのでしょうか?

 単語集などで覚える場合は、英単語を見た瞬間に日本語の意味が正しい発音を伴って思い浮かぶレベルまでとことん反復しましょう。クイックレスポンスの力がつくと、英語を聞く力だけでなく英語を話す力も伸びていきます。

 知識を身につけるのは一朝一夕の話ではありません。しかし、知識を身につけなければ、語学の習得は夢のまた夢です。まずは発音とクイックレスポンスにこだわって、素敵な知識人になりましょう。


【4回の裏】
受験に役立つ! 今月のヒットフレーズ

take A to a higher level

役立ち度:★★★★★
難易度:★☆☆☆☆

 take A to Bは「AをBに連れていく、持っていく」という意味で、take A to a higher levelだと「A(能力や研究などを表す言葉)をより高いレベルに上げる」となる。higherの位置にnewを入れると「新しい段階に引き上げる」、nextを入れると「次の段階に進める」という意味になるし、take A to another levelだと「Aを別段階へと移行させる」という意味になる。 levelの前をいろいろ変えて応用し、脳に刷り込んでおこう。

 受験生にとって夏休みは、自分のレベルを引き上げるための絶好の機会。猛勉強をしてE判定をA判定にまで上げた生徒もいる。夏を失敗に終わらせないよう、気合いを入れて臨んでほしい。I hope you will take your ability to an even higher level in summer.

編集 笹原風花
撮影 荒川潤


この記事は「螢雪時代2017年7月号」より転載いたしました。

著者プロフィール
木村 達哉先生

木村 達哉先生

灘中学校・高等学校英語科教諭
教壇に立つ傍ら、英単語帳『ユメタン』(アルク)や参考書などを多数執筆。また、「英語教師塾」を立ち上げ、全国的な活動を展開している。近著に『キムタツ式 英語長文速読特訓ゼミ』シリーズ(旺文社)がある。

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