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清水章弘先生・伝授:”デキる受験生”のつくり方

  • [2017/3/31]

受験生としての1年が始まった。
入試本番までの300数十日は、遠いようでいてあっという間にやってくる。
難関大合格という夢をつかむために必要なのは、夢への計画をつくり、たゆまず歩き続ける力。
そんな力を発揮する“デキる受験生”になる準備はできているだろうか?
気鋭の受験コーチ、清水章弘先生といっしょにチェックしてみよう。


プラスティー教育研究所代表取締役:清水 章弘先生

今日から始めよう!
4つの【合格体質】

「受験生」って、どんな人?

 この時期になると、毎日のように生徒に言っています。「受験生は自然となれるものではないよ。努力してなるものだよ」と。受験生とは、単に受験の時期を迎える人のことではなく、受験を迎える準備を整えている人のことを指すのです。本番まであと10か月。伸びる人はどんどん伸びます。E判定からA判定に駆け上がる人もいます。この特集では、その伸びていく受験生の習慣を一挙公開していきます。明日からでは遅すぎます。今日から習慣を変えてくださいね。“「明日やろう」は馬鹿やろう”ですよ!

あなたは大丈夫?
受験生の足を引っ張る
“ダメ習慣”チェック

チェックの結果、あなたはどうだった?

いくら立派な計画を立てても、それを実行する気力と体力がなければ、計画は絵に描いたモチだ。以下で清水先生に語っていただく4つの「合格体質」を身につけて、デキる受験生に変身しよう!



《デキる》スケジュール体質をつくる

 「時間がない」が口ぐせになっている人はいませんか。言うまでもなく、受験は時間との勝負です。むだな時間を過ごさないために、年間、そして毎日のスケジュールを立てていきましょう。そのためにまずやってほしいことは、目標を決めること。志望大学・学部を書き出してください。試験科目だけでなく配点も調べることで、各教科の優先順位も決めやすくなります。


“逆算力”をつける!

 目標から逆算して考える力を「逆算力」といいます。「逆算力」をつけるために最初にすべきことは、過去問と配点と合格最低点を見て「英語は65点、社会は70点、国語は…」と本番のシミュレーションをすること。それをすると、合格するためにやるべきことが明確になってきます。わからない人は合格体験記を読んだり、先生に聞いてみたりしましょう。大まかな年間のスケジュールが決まったら、そこから毎日のやるべきことを決めていきます。伸びる受験生は、常に目標から逆算して、やることを決めていくのです。

“×1.01”でゆっくり急ぐ!

 やるべきことを書き出すと「こんなに多いのか…」と焦ってきますが、もっと焦るのは、計画通りに進まないとき。でも、そんなことは珍しくありません。焦って投げ出してしまいたくなる日も多くあると思いますが、受験は長期戦。続けることが大事なのです。みなさんに1つの実験を紹介します。1に1.01をかけ続けると、どうなるでしょうか。下の図を見てください。10日後には1.1ですが、1年後には、なんと約38に増えます。逆に0.99をかけ続けると1年後には約0.025。小さな積み重ねが大きな差になるのです。合言葉は「ゆっくり急ぐ」。ちょっとずつでいいので、昨日の自分をライバルにして、毎日成長しましょう。

《デキる》勉強体質をつくる

「勉強してるつもり」をやめる!

 努力をしても伸びない人もいますが、どこが違うのでしょうか。そういう人は勉強している「つもり」になっています。正しい勉強の定義を確認しましょう。勉強とは、「できない」を「できる」にすること。すると、問題集の使い方も変わります。問題集を解き始めることから勉強が始まると考えている人がいますが、解けないものが明らかになってから勉強は始まります。つまり、間違い直しが勉強。それまでは勉強ではなく「作業」なのです。最もいけないのは、丸付けをして、答えを写して終わりにすること。せっかくの時間がむだになってしまいます。「丸付けまでが勉強」ではなく「丸付けからが勉強」と覚えてください。


「わかる」と「できる」は違う

 間違い直しをするときは、解答や解説をながめて「なるほどね、わかったぞ」と終わりにする人がいますが、それだけでは不十分です。きちんと手を動かすことを忘れないでください。そうすれば、「わかる」が「できる」に変わります。「わかる」だけで放置すると、テスト中に「あれ、この問題見たことあるのだけれど、解けないぞ…」ということになりかねません。「わかる」というのは、あくまで解答や解説を見て理解できるという状態。でもテストではノーヒントで解けるかどうかを問われています。答えを隠して一から解きなおす、ということを受験生の常識としましょう。


教えることは、学ぶこと

 何回も解き直しをしていると、答えも覚えてしまって、本当に「できる」状態になったのかわからなくなります。そんなときは、人に教えてみましょう。友達でも、兄弟でも、お母さんでも構いませんので、誰かを生徒役にするのです。人に教えると、順序立てて話しをすることになりますので、自分の頭が整理されてきます。また、相手から思いもよらない質問がきて、答えられないこともでてきます。そうすると、自分の理解が完璧でないことがわかります。人に教えてあげていると、自分が与えている気持ちになりますが、実は多くを教えてもらっているのです。

《デキる》健脳体質をつくる

朝を制する者は受験を制す!

 受験生は心と身体をバランスよく鍛えなければなりません。タフな心、つまり自律的な心を作るためには、生活習慣を変えるようにしましょう。何を言っても「朝型」です。僕の母校の海城高校では、面白い言い伝えがあります。それは、「皆勤賞の人数が多い学年は、合格実績が良い」ということ。皆勤賞とは、高校3年間、無遅刻・無欠席を達成した生徒のことです。毎朝、早く起きるのはつらいですよね。でも、だからと言って朝のんびり起きてきたら、生活とともに心が乱れてしまいます。また、朝型生活は心を鍛えるだけなく、他にもいろんないいことがあるのです。朝は頭がすっきりとしていますので、思考力を要する勉強を進めやすくなります。また、他の人が寝ている早朝に勉強ができると、優越感もでてきて、自分に自信を持てるようにもなります。でも、どうしても早起きができない人もいるはず。そんな人は、1日だけ早起きをしてみてください。そうすると、いつもより早い時間に眠くなります。その勢いに任せて寝てしまうのです。「早寝早起き」の順番ではなく、正しくは「早起き早寝」なのです。


運動は脳を鍛える!

 運動は、楽しむもの。運動は、勉強とは別―みなさんの中には、そう考えている人もいるのではないでしょうか。でも、運動も脳を鍛えるのです。『脳を鍛えるには運動しかない!』(NHK出版)という本によれば、アメリカにある高校のあるクラスで、1学期間にわたって授業前に運動をしたところ、他のクラスとくらべて、読む力と理解する力が上がったそうです。実は、僕もこの1年間、毎朝30分のウォーキングをしてから会社で仕事をしています。昔よりも頭がスッキリして、仕事に集中できるようになりました。運動はストレス解消にも効果的ですので「気分転換はゲーム」と決めている人もたまには外でウォーキングやジョギングをしてみてください。


《デキる》ポジティブ体質をつくる

困難は分割せよ!

 やろうと思っても、やることが多すぎて何から始めていいかわからない人もいると思います。そんなときは、「分ける」ことを意識してみましょう。哲学者のデカルトの名言に「困難は分割せよ」というものがあります。やるべきことが膨大にあったとしても、細かく分けていけば、いまできる分量に変わるのです。1日に終わらすべき量が決まれば、次の1時間の量が決まりますよ。

始まりはすべての半分!

「あぁ、勉強やらなきゃ…」そう思っても、何もできずに1日を終えてしまう時もあるはずです。今まではそれでよかったかもしれませんが、受験生はそれではだめ。気持ちに左右されていてはいけません。そんな人は「始める」ことにこだわってみましょう。ギリシャのことわざに「始まりはすべての半分」という言葉があります。取り掛かるまでが一番負担がかかるので、始めてしまえば半分が終わったようなものだ、という意味です。今日1日でも同じこと。勉強を始めさえすれば、目標が半分達成したと一緒なのです。なかなか始められない人は、心のハードルを下げるために、「勉強しよう」ではなく「鉛筆をにぎろう」と思うこと。それなら簡単に始められそうですよね。そうやって脳をだますことも、実は有効なのです。

受験生モードに入る準備はできた?
アタマとココロ、そしてカラダを整えてから歩き出せば、
受験勉強と計画進捗管理をくり返す
これからの道のりもぐっと楽になるはず。
できるところから“合格体質”を身につけて、
さあ始めよう!

この記事は「螢雪時代(2017年4月号)」より転載いたしました。


著者プロフィール
清水 章弘先生

清水 章弘先生

1987年千葉県生まれ。東京大学教育学部を卒業し、同大学院教育学研究科修士課程修了。大学在学中、体育会ホッケー部で活動する傍ら20歳でプラスティーを設立し、若手起業家としても注目される。現在は東京と京都の教室で勉強のやり方を教え続ける毎日。青森県三戸町教育委員会学習アドバイザーや国立音楽大学附属中学・高等学校の学習コーディネーターを務めるほか、NHK教育テレビ『テストの花道 ニューベンゼミ』にも出演。著書に『東大生がこっそりやっている、頭がよくなる勉強法』(PHP研究所)、『東大生が知っている! 努力を結果に結びつける17のルール』(幻冬舎)など。

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