大学入学当初は、学び方や生活スタイルの大きな変化に戸惑うことも多いだろう。内容が理解できず授業についていけなくなったり、人間関係で悩みを抱えてしまったり…。そこでここでは、大学の新入生によくある悩みを挙げ、その解決をサポートしてくれる大学の制度を紹介したい。
授業やゼミ、サークルやバイト先で新たな人間関係を築くことになる大学生活。そこで生じた悩みごとを相談できる窓口が大学には用意されている。主な制度を3つ紹介しよう。
ピアサポート制度
先輩に相談をしたい時に!
「ピア」とは仲間という意味。先輩学生が下級生の悩み相談に応じる。“友だち感覚”で気軽に相談や質問ができるのが特長。勉強のことのほか人間関係やお金のこと、就職のことなど、大学生活全般のことをなんでも聞くことができる。入学当初、先輩とのつながりがまだないない時期などには、悩みや不安を一人で抱え込まずに、こうした制度を気軽に利用して、悩みを解決したり、先輩と仲良くなるきっかけを作ってもらいたい。
学生相談室・カウンセリング室
身近な人に相談できない時に!
学生相談室は、専門の教職員が窓口になり、さまざまな悩みに対応。相談に訪れやすいように相談室のスペースを学生に開放していることもある。カウンセリング室は、心理の専門家が窓口となり、心に抱える問題をケアしてくれる。相談者の状態によっては、専門の教員や医師と連携をとって必要なケアを講じる。悩みが身近な人に相談できるものではなく、心理的・精神的に辛い場合は、こうした制度をすぐに利用してもらいたい。
スチューデントアシスタント制度
(ティーチングアシスタント制度)
先輩の助言や補助を受けたい時に!
勉強に関わる相談を先輩が受けてくれる制度。一般的にいうと、スチューデントアシスタント制度のほうは学部学生の上級生が、ティーチングアシスタント制度のほうは大学院生が、下級生に対し授業の進行の補助や質問の対応などにあたる。後者は特に理系学部における実験や研究などで行われることが多い。先輩がこれまで身につけた経験やノウハウを後輩に伝えるという目的で行われ、先輩と後輩をつなぐ制度として注目されている。
●スチューデントアシスタント制度実施状況
全学で実施 | 一部学部で実施 | 実施なし | |
---|---|---|---|
国立大学 | 42.5% | 20.0% | 37.5% |
公立大学 | 38.4% | 7.0% | 54.7% |
私立大学 | 41.6% | 13.3% | 45.1% |
※旺文社刊行『大学の真の実力』の調査に対する国立大学80校、公立大学86校、私立大学548校の有効回答を基に算出。
大学生活のトラブルについて
大学生活でのトラブルの原因としてよく聞くのが以下の3つ。
× 金銭の貸し借り
× “うまい話し”の勧誘
× 飲酒の強要
友人にお金を貸したところ、いつになっても返してもらえず、友だち関係にヒビがはいった。お金の貸し借りは、そんな事態を招きやすい。少額でも貸し借りは避けるようにしよう。
“うまい話し”には気をつけてほしい。話しにノセられて、高額商品の購入を迫られることもある。また、実は悪質な宗教団体への勧誘だったということも。“うまい話しはない”と肝に銘じるべきだ。
二十歳になればお酒を飲めるが、適量をわきまえないといけない。急性アルコール中毒になれば命に関わる事態になる。飲酒の強要は厳禁。当然、未成年者の飲酒も厳禁だ。
この記事は「螢雪時代(2017年3月号)」より転載いたしました。